EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】



ヒュンッ――!!


空気を切り裂く音がした。

小鳥とフェオドール目掛けて二本のナイフが勢い良く飛んで来る。

「……!!」

いち早く気づいたフェオドールが小鳥を抱いたままそれらを避けた。

しかし――。


「フェオドールッ!!!!!!」


白魔の怒声と共に血が舞った。

ナイフを握り締めた白魔が手ずから弟の首を切り付けたのだ。

「っ…!」

然ほど深くない傷だが、痛みに顔をしかめるフェオドール。

「フェオさん…!」

小鳥は彼の腕の中で不安げに瞳を揺らした。

それを目にして更に気分を害したのはもちろん白魔だ。

「小鳥っ……何フェオドールの心配なんかしてるのさ!!!!」

未だ小鳥を抱きしめて離さないフェオドールの腕に握っていたナイフを突き立てる。

こうまでされてようやくフェオドールは小鳥を解放した。

「白魔さん!もうやめて下さい!フェオさんの腕がっ!」

小鳥が解放されてもグサグサと突き刺す行為をやめない白魔に、小鳥が悲鳴に近い声を上げる。