ゆっくりと彼の瞼が下りる。
小鳥も眠たげに目をとろんとさせた。
(不思議…もう噛まれたところ、痛くない…)
痛みの代わりに感じるのは気怠さと眠気のみ。
このまま白魔に抱きしめられて眠るのも悪くない。
小鳥がそう思いながら目を閉じようとした時――。
「………ああ…忌ま忌ましい」
白魔がむくりと起き上がった。
「白魔さん…?」
「君はそこにいて」
小鳥に安心させる笑顔を向けてからナイフを片手に部屋の扉へ近寄る白魔。
何事かと思い、小鳥も上体を起こす。
すると白魔が勢いよく扉を開けて何者かにナイフを突き付けた。
「聞き耳立てないでよ。変態吸血鬼」
「致し方なかろうホワイト・デビル!だってキーがかかってたんだもん。聞き耳を立てて妄想するしかないじゃないか!」
「“もん”とか言わないでよイイ歳のオヤジがさ。吐きそうになる」
ナイフの刃をランベルトの喉に押し付けて睨みつける。
けれど全く脅しになっていないようだ。
招かれざる客ランベルトは白金の綺麗な髪をナルシストを思わせる仕種でかき上げながらニコリと笑った。



