楽しそうに口角を上げる白魔。
舌を使ってわざとらしく音を立てながら吸血するので、小鳥は耳を塞ぎたくなった。
(ううっ…変な気分になっちゃうよ…!片耳だけでも塞いで――)
自由な右腕を動かそうとした時だった。
「遊んでるなら僕と絡めて」
白魔の左手が小鳥の右手の自由を奪う。
繋がれた手。
これでは耳は塞げない。
(聞きたく、ないのに…!)
目を閉じていると余計、敏感になってしまう耳と肌。
思いきって小鳥は目を開けた。
涙で滲む視界に白魔の恍惚とした顔が映る。
「ああっ…君の身体に流れる血……まるで甘美な旋律だ」
悩ましい吐息をこぼすと彼は腕から唇を離して小鳥の胸にそっと耳をくっつけた。
「この心臓が刻むリズムも…とても心地好いよ」
「白魔さん…」
胸に耳を押し付けられているというのに、不思議と小鳥に嫌悪感はなかった。
むしろ、白魔の頭を優しく抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。
「……この貴い命のリズムを僕が壊すことは、とても罪深いんだろうな…」
(白魔さん…?)
少し白魔から憂鬱を感じ取った。
「ハァ…このまま…まどろんでしまいたい…」



