「なんか本当にごめん。疲れたでしょ?精神的に」
小鳥に椅子を勧めつつ白魔は自身も向かいの席にドサリと座った。
「いえ…。白魔さんこそお疲れですね…」
「うん…。ランベルトの父親が来るものだとばっかり思ってたから……あのノリに堪える覚悟が足りてなかったんだ…」
ランベルトの言動を思い出して小鳥が苦笑する。
白魔は深い溜息をついた。
「ハァ……ダンクラート様は威厳のある方なのに…なんで息子のあいつはあんなかな…」
「とってもフレンドリーでしたね。お友達なんですか?」
「友達なんかじゃないよ。単なる知り合い」
すかさず否定したと思ったら、白魔は悩ましげな表情で続けた。
「と、言いたいところだけど……悔しいね。ランベルトは僕の憧れなんだ」
「憧れ…?」
「そう。僕がオペラ好きになったきっかけはランベルトが出ている舞台を見たからさ。オペラ歌手なんだよ」
「えっ、ランランさんが!?オペラ歌手!?」
「信じられないかもしれないけど、あれで歌だけは上手いんだ。闇人の中じゃ最高のテノール歌手だね」



