「ただいま小動ぶーつ。ほいこれ、お土産な」
学校の後に仕事があったため遅くに帰ってきたカロン。
彼は居間にて他の兄弟達と一緒に寛いでいた小鳥に紙袋を渡した。
「これは…?」
「ケーキ」
「え!?わざわざ買ったんですか!?」
「そ。あんたのために」
空いている椅子に機嫌良く座ったカロンを白魔がジロリと見遣る。
「どういう魂胆さ、カロン」
「ん?魂胆と言うか、今からでも遅くねーから小動物に餌付けして俺を選ばせようかと」
「思いっきり企んでるじゃないか。真顔でサラッと言うなんて、僕を挑発してるの?」
懐からナイフを出そうとする長男。
それを見抜いて静理が口を挟んだ。
「はいそこ、ケンカするなら廊下に出ようね。あ、そうだ小鳥ちゃん。そろそろ買い出しに行きたいって言ってたよね?俺で良ければ明日暇だから付き合うよ」
「良いんですか?助かります!ありがとうございます静理さん」
「ちょっと!静理まで何なのさ!小鳥と結婚したのは僕なんだよ?買い出しに付き合うのは僕以外有り得ないからね」



