白魔がちょっと引いてしまった頃、店内の二人はというと。
「これなんてどうかな!」
元気よく月那がズイと差し出したのは黒に紫のレースとリボンがオシャレな大人っぽいもの。
目にした瞬間、小鳥は首を横にブンブン振った。
「こんなの私には無理だよ!」
「あ、これも可愛い!」
「聞いて!?月那ちゃん!」
次々と可愛い下着をチョイスしていく月那について行くのがやっとの小鳥。
オススメしてくれるのは有り難がいが、色々あり過ぎてどれが良いかゆっくり見る暇もない。
「あっ」
ふと小鳥の視界に入った白に近いピンク色の下着。
それはワンポイントに小さなローズピンクの薔薇がプリントされた上品なものだった。
(控えめだけど可愛いな…)
手に取って眺めていると月那が寄って来た。
「それも良いね。他のよりシンプルだけどデザインが可愛い!」
「……これにしようかな」
ポソリと呟く小鳥に月那が先程の黒い下着を差し出す。
「ならこれも一緒に!」
「ええ!?だから黒なんて、私には…!」
「大丈夫だよ!小鳥ちゃんなら絶対似合うから」
そんな訳で、押しに弱い小鳥はそれも一緒に購入することにした。



