「で、小鳥ちゃんはどんなのが欲しいの?」
「えっと……」
マネキンが着けているミントカラーの下着をチラリと見つつ、白魔の言葉を思い出す。
――君の下着、色気がイマイチだったからね
「い、色気のあるやつが…欲しいです」
照れながら言うと、心配げな月那に顔を覗き込まれた。
「……もしかして、誰かに色気ないとか馬鹿にされたの…?」
「白魔さんに……その…ガッカリさせちゃったみたいで…」
「うーん…相手がいるなら、その人の好みがいいのかな?小鳥ちゃん、何色が好きとかわかる?」
問われて考えるも、下着に関して彼が何色を求めているかなんて小鳥にわかるはずもなかった。
「……わから…ない」
「んー…じゃあ、どんな下着で色気ないって言われたの?」
参考に聞いておこうと月那が質問すると…。
「い…いちごのパンツ」
恥ずかしげな小鳥の小さな声が聞こえた。
「苺パンツ!私も持ってた!」
馬鹿にするでもなく懐かしげに笑みを浮かべる月那。
「でも氷河さまに取り上げられちゃってね」
――月那、頼むから苺パンツだけはやめてくれ。可愛い。俺の理性が崩壊する。クソッ!
「嬉しそうに隠されちゃったの」
「そ…そうなんだ…」
氷河はどうやらドストライクだったようだ。
白魔もそうだったらこんな苦労しなくて良かったのだが、まあ好みは人それぞれなので仕方ない。
とりあえず苺パンツは無しと方向が決まった。



