「いつの間に出てったんだ?カロンの奴」
開けっ放しの扉を見てルカが呟き、フェオドールが頷く。
「…さすが。逃げ足は速い」
皆がフェオドールの言葉に共感していると、出し抜けに色っぽい女性の声が響いた。
『あら~、イイ男がたくさん。ふふふ』
今度は誰の母親か。
小鳥が首を動かして声の方を向くと、腰まである長い髪を気怠げに掻き上げるセクシーな女性がカロンの座っていた場所にいた。
『貴方なんて超タイプ。どう?安くしてあげるわよ』
白魔に対し透明な手で投げキッス。
白魔の隣にいた小鳥が彼女の妖艶さにドキッとした瞬間、静理が低音ボイスを発した。
「おい、やめてくれないか」
『んー?え、嘘ヤダ~。あんたシズちゃん?』
「へぇ。俺の顔を覚えてたなんて、意外だな」
『んふ、自分の息子だものねぇ。元気ぃ?』
「おかげさまでね」
静理が黒い笑みを浮かべる。
(静理さんのお母さん!?なんか全然似てない…!)
顔は血の繋がりを感じさせるが雰囲気は赤の他人だ。
『あんたには感謝してるわ~。かなりの高値で売れたからね。あの後はどうしたの?やっぱ水商売?』
「さあね。貴女に教える義理はないよ」
『かわいくなーい。どうせあれからもヤバイことして暮らしてたんでしょ?あんた、殺しに盗みに何でもやってたじゃない』



