「あ、待って下さい!!静理さん!」

それでもなお追ってくる小鳥に静理は静かに苛立った。

近寄って来る小鳥の気配を察知し、不意打ちで彼女の腕を強引に掴む。

グイと引き寄せ、顔を近づけ、静理は小鳥の耳に囁いた。

「女はこうすれば黙る」

小鳥が目を見開く。

気づけば静理と唇が重なっていた。


(これ、って……)


キスだ。

静理に、唇を奪われた。

「っ……!」

何をされているのか自覚したと同時に、小鳥の顔が熱くなる。

反射的に逃れようとしたものの、静理の腕がそれを許さない。

いつの間にか、拘束するように抱き締められていた。

「はぁ……」

唇を離した静理が吐息をこぼしながら、スンと小鳥の首筋を嗅ぐ。

そして小鳥の白い肌に舌を這わせ、牙をあてがった。


(吸われる……!?)


気づいたところでもう遅い。

静理の牙が首筋に埋まり、小鳥を無遠慮に貪っていく。

「っ、痛ッ……あっ……」

「ん……」

じゅるりと音を立てて吸われ、小鳥はクラリとした。

握っていた猫耳カチューシャが手からスルリと落ちる。

恐怖からか喜びからか、小鳥の胸はドキドキと早鐘を打った。

静理が相手だからこそ強く押し返せない。

抵抗されないのを良いことに、静理は小鳥を好きに奪っていった。