やがて前方に広場の様子が見えてくる。
まだ祭りがスタートしてから三十分も経っていないはずだが、野外ステージを中心としたその広場は多くの闇人でガヤガヤと賑わっていた。
特に目的もない小鳥と静理は手を繋いだまま、あちこちの露店を見て回ることに。
(射的に、輪投げ……あ、ボーリングもある!)
雑貨屋も沢山あるが、人気なのはやはりゲームができる店らしい。
ついついそちらに目がいってしまう。
そんな小鳥の視線の先を、静理は素早く追った。
「やりたい?」
「えっ、あ、いえ!そういうわけでは……!」
「そうかい?興味のある店があったら遠慮なく言ってね」
「は、はいっ」
手を繋いでいるからか、妙に緊張した声が出てしまう。
小鳥は落ち着くように息を吐いた。
と、その時。
「そちらの可愛らしいお嬢さーん!」
丁度通り掛かった露店から男性の声が飛んできた。
最初、自分のことだとは思いもしなかった小鳥だが。
「カッコいいフィアンセと一緒に仲睦まじく手を繋いで歩いている可愛らしいお嬢さ〜ん!」



