「傷ついたような顔、してる。俺の発言なんていちいち気にしないでいいからね」
「き、気にします!」
普段より大きな声が出た。
ハッキリ言い切った小鳥に対し、静理がキョトンとする。
どうやら予想外の反応だったようだ。
「静理さん、優しいから……無理して私に付き合ってくれたのかなって……」
「小鳥ちゃん……俺は君が思ってるほど優しくないよ。それに無理もしていない。俺も君と一緒に出掛けたかった。いや……少し違うかな。君が他の男と出掛ける姿を見たくなかった、というのが正しい気がするよ」
(それって……)
自惚れても良いのだろうか。
小鳥が頬を染める。
「それにね、君と一緒なら……苦手なこの日も少しはマシになるんじゃないかなって、勝手に思ってる」
広場が近いのか、街の光が暖かなオレンジ色に変わってきた。
静理が歩きながら小鳥の手を取る。
混んでいると言っていたから、きっと小鳥が迷子にならないようにだろう。
頭の片隅で自身にそう言い聞かせながら、小鳥はキュッと静理の手を握り返した。



