広場に向かう道を歩きながら、小鳥は周りの景色を目にして瞳を輝かせる。
「綺麗ですね。普段と全然違います……!」
通り過ぎるあらゆる建物に飾られた、キラキラと美しい青白いイルミネーション。
吸血鬼が住む暗い地下都市は沢山の光に彩られ、今だけ幻想的な世界へと姿を変えている。
(いつもこんなに明るかったら、怖くないのに)
小鳥がそんなことを考えていると、隣で歩く静理がポツリと呟いた。
「確かに、綺麗だよね。本当に、この日だけは眩し過ぎて……少し苦手かな」
苦笑する静理。
(……もしかして、来たくなかったのかな)
無理して連れ出した形になってしまったのだろうか。
それならとても申し訳ない。
小鳥が言葉を探しながら静理を見上げる。
すると彼は困ったように微笑んだ。
「俺は大丈夫だよ、小鳥ちゃん。だからそんな顔をしないで」
「えっ、そんな顔って……」
どんな顔だろう。
小鳥は慌てて自分の顔を隠すように頬へ手を当てる。



