そして翌日。
小鳥の部屋にノックの音が響いたのは、出掛けるには少々早い時刻だった。
「小鳥ちゃん、もう支度は大丈夫かな?」
「はい……!大丈夫ですっ」
「少し早いけど、白魔達に見つかると面倒だからね。行こうか」
昨日、兄弟達に「小鳥は自分と行く」とハッキリ伝えた静理だったが、素直に「はい、そうですか」と受け止める彼らではない。
白魔に至っては堂々と邪魔してやる宣言をしてきたので静理は早めの外出を決めたのだった。
「そう言えば……どこに行くんですか?」
祭りの日だとは聞いたが、どこで何をするのか詳しい話は知らないままだ。
小鳥の疑問に対し、静理はエレベーターに向かいながら考えた。
「そうだね……どこがいいかな?今日は街中の色々な建物がライトアップされているから、散歩をするだけでも楽しめるとは思うけれど……盛り上がっているのはやっぱり公共広場かな」
「なら、そこに行ってみたいです」
「いいよ。混んでると思うから、俺から離れないようにね」
「はい、わかりました」
小鳥の良い返事に静理がニコリと笑う。
それからエレベーターに乗り、二人は外に出た。



