小鳥に心の変化があったように、静理の中でも何か変化があったらしい。
しかしそれは小鳥とは真逆のものだった。
あの日から、静理は小鳥を避けるようになったのだ。
あからさまに無視されるわけではないのだが、積極的に関わりたくない、という気持ちが静理の態度に表れている。
(私、避けられるようなこと、したかな……?)
カロンと一緒に理王の店へ行ったことは、あれから改めてちゃんと謝った。
その時に静理から「今度またどうしても理王と接触する場合は俺を連れて行くこと」という約束を迫られ、それに小鳥が頷く形で話は上手くまとまったはずだ。
(それ以外で静理さんの気分を悪くすること……何かあった?)
わからないまま、もんもんとした日々が過ぎる。
そんな頃だった。
ある日の、就寝前のひと時。
小鳥とクラヴィエ兄弟全員は、たまたま居間に集まっていた。
「小鳥!明日、俺達と一緒に出掛けない?楽しい祭りの日なんだよ」
「お祭り?」
「うん。創世祭って言うんだけどさ」
「そうせいさい……?」