「いらっしゃいませー」
「なあ、理王のおっちゃんいる?」
店の奥から出てきた女性店員に軽々しく尋ねるカロン。
この店の持ち主を「おっちゃん」呼ばわりする失礼極まりないお客にも、女性店員はニコニコと愛想良く対応してくれた。
「理王様でしたら奥のお部屋にいらっしゃいます。お会いになられますか?」
「なるなる」
頷くカロンの後ろで固まる小鳥。
このままでは不味い。
わかっているものの、あれよあれよという間にソファーが置かれた応接室へと通されてしまった。
カロンが遠慮なくソファーにドカリと座るので小鳥も隣に腰掛ける。
そして座って待つこと数分。
突如部屋の扉が開き、柔らかな笑顔を浮かべた理王が現れた。
「これはこれは…!来てくれたんだね、小鳥さん。嬉しいよ。私の店へようこそ」
「こ、こんにちは…!その……手紙を読んで…」
近づいてきた理王に小鳥が慌てて挨拶を返す。
静理に反対されて来ないつもりだったけれどカロンに引きずられてやって来ました、とは口が裂けても言えない。
「そうか、ちゃんと届いたんだね。それは良かった」
ニコニコしながら理王は小鳥達の向かい側のソファーに腰掛ける。
そして彼は自分の部屋の如く寛いでいるカロンの方へと視線をやった。



