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 数日後、居間にて小鳥は白魔から唐突な贈り物を差し出された。

「僕のプリマドンナ、約束通り君にプレゼントだよ。はい、これ」

渡された物は上品な小箱。

一瞬、首を傾げた小鳥だったが、すぐにもしやと察する。

「これって、香水…!?」

「この前、言ったでしょ?君に相応しい香りをプレゼントするって」

確かにそんなことを言っていたが、本気にしていなかった小鳥は新品の香水がおさめられた小箱を手に目を丸くする。

「開けてつけてみなよ。なんなら僕がお手伝いするよ」

そう言って白魔が小鳥に手を伸ばした時だった。

「悪いけれど白魔、小鳥ちゃんはこんなもの受け取らないよ」

いつの間にやって来たのか、静理が二人の間に割って入った。

そして彼は小鳥の手の中にある香水の小箱をひょいと取り上げると、小鳥の背中を少し強引に押した。

「小鳥ちゃん、今日はこれから俺と勉強する予定だったよね?さあ、図書室へ行こうか」