白魔とカロンが小鳥を挟んでいがみ合っている。


(こういう場合、助けに入るべきなのかな?)


少し離れた位置から傍観しつつ静理は考える。

普段ならさっさと通り過ぎるのだが、自分は小鳥のフィアンセ兼ボディーガードの立場にあるのだ。

困っているようなら助けなければいけない。


「僕のプリマドンナ。カロンについて行くようなら君に牙を立ててしまうよ?貧血を起こして僕の腕の中に倒れ込むくらい吸ってあげる」

「あ、そのやり方ズルイ。俺も見習おう」

「やめて下さい白魔さん!カロンさんは見習わないでぇっ!」

涙目になって男二人から逃れようと必死な小鳥。


(あれはマズイ状況だね)


助けるべきか、否か。

ふと、静理はスーパーでの出来事を思い出した。

自分を庇って背中にムチを受けた彼女。


(あの時の借りがある、か…)