盛大に照れながら、今にもズルズルと床に座り込んでしまいそうな静理を見て、小鳥は確信した。


(静理さんはグイグイ来られると弱い!)


ただし、この弱さは小鳥限定だ。

他の女性ではこうはならない。

「ちょっと、待っ…………落ち、着いて、小鳥ちゃん」

「私は大丈夫ですよ?」

「うん、わかってる……俺、だよね……ああっ、クソッ!」

静理はドアに寄り掛かりながらギッと小鳥を睨みつけると、欲望が爆発しそうな自分を抑えながら唸るように言った。

「小鳥ちゃん、選んで。今すぐ、俺の部屋に入るか、入らないか」

「え……入ったら、どうなるんですか?」

「……優しくは、するつもりだよ」

「っ……!」

何となく意味を察し、小鳥がぶわりと頬を朱に染める。

飢えた獣のような目の前の静理が少々怖くはあるけれども、先に仕掛けたのは自分だ。

「絶対絶対、優しくして、下さい……ね」

言葉の代わりに顎を掬われ、静理のキスが唇へと落とされる。

そのまま彼は小鳥の腰に腕を回し、奪い去るようにして部屋の中へと連れ込んだ。