そんな過去を、小鳥は断ち切ってくれた。

くだらない日常を、静理の世界を、変えてくれた。

「なら私も、静理さんのために生きます」

小鳥は動かない自分の心臓に手を当て、静理に微笑む。

「こうして自分が黄泉帰りになったのは静理さんと一緒にいるためだって、信じたいです」

それこそが、小鳥の「今」を支える全て。

「そうか……お互いがお互いの生きる意味になれば……」

気づいた瞬間、静理は嬉しさでよろめき、自分の部屋のドアに肩をぶつけた。

そのまま体をドアに寄り掛からせる。

「なんだか、都合が良すぎる気がするよ。どうしよう……まだ、この感覚が夢のようで……落ち着かない」

頬を染めて幸せを噛みしめている静理に、小鳥はちょっと小悪魔心をくすぐられた。

「静理さん」

「なに、かな……?」

「好きです」

「っ!!!!」

「大好きです」

「っっっ〜!!」

「世界で一番、静理さんが大切です」

「っ、ぁ……」