人間として生きてきたのだから、戻れるものなら戻りたい。
小鳥の中でその気持ちは確かに強い。
しかし。
(人間に戻るってことは、一度死んだ私が生き返るということ?そんなことが本当にできるようになるなんて、信じられない……)
夢のような話だ。
「……それは、人間に戻りたくない気持ちがある……ということ、なのかい……?」
小鳥なら「戻りたい」と言うに違いないと予想していた静理は少なからず動揺した。
「その時にならないと自分がどう思ってるかはわからないから……もしかしたら、その可能性もあるかもしれないです」
小鳥が正直に答えると、すかさず静理から意地悪な質問が飛んできた。
「今なら?」
「え?」
「もしも今すぐ人間に戻れる方法があったとしたら?君は、どうする……?」
そう言って小鳥の目を覗き込む静理の表情が、なんだか泣き出す前の子供のようで。
「……静理さんが泣きそうなので、このままの私でいます」
「っ!?な、泣かないよ、俺はっ」
「なら訂正します。静理さんがツラそうな顔をしてるので人間には戻りません」



