「お前、その出荷指示書を静理に見せないつもり?」

「別に。君には関係ないでしょ、オーレリアン」

「僕には関係なくても兄様にはあるだろ!出荷が遅れたら後で静理に怒られるのは兄様なんだぞ!ちゃんと兄様の代わりに仕事しろよ!だいたい、本当はこれだって全部白魔の仕事だろ?わかってるわけ?」

「はいはい。全く……君の声って喧しいよね。だから女性が寄り付かないんだよ。直したら?」

「余計なお世話だっ!」

「ねえ、僕のプリマドンナもそう思うでしょ?」

末っ子と会話しながら書斎から居間へ続く扉を開けた白魔。

たまたまいた小鳥を見つけると、にこやかに話しかける。

「え?何のお話ですか?」

突然話題を振られてキョトンとしている小鳥に対し、オーレリアンは面倒臭げな溜息をついた。

「何でもないから。白魔なんか無視しとけ」

「僕のプリマドンナはそんな薄情な子じゃないって知ってるよ」