「カロン……それはどういう意味かな?」

「そのまんまの意味。あんたは危ない。色々と。無防備な小動物が近づいたら軽い火傷じゃすまないかもって話」

どう危ないのだろうか。

小鳥が首を傾げてカロンに説明を求めようとした時だった。

「カロン、そろそろ黙ろうか。もしくは出ていきなさい。授業の邪魔だよ」

にこやかな笑みを浮かべた静理が冷たく言い放つ。

次兄の笑顔は怒っている証拠だと知っているカロンはムスッとした表情で諦めた。

「小動物、イジメられたら俺んとこおいで。たっぷり甘やかしてやるからな」

「カロン」

「へいへい、お邪魔しました」

素直に出て行く弟を溜息と共に見送ってから、静理は困ったように小鳥を見た。

「カロンの言葉は気にしなくて良いからね」

「は、はい…」

気にするなと言われると逆に気になってしまうが、小鳥は静理を信じることにした。

まさに「無防備な小動物」の如く。