「おー、やっと発見」

第三者の声が横から飛んできた。

二人揃って顔を上げると、いつでもマイペースなカロンの姿が。

彼は紙束を片手に焦る様子もなく近づいてくる。

「しーずり。ほい。再提出だった小レポート」

「ああ、すっかり忘れていたよ。ありがとう」

「マジか、損したな。あんたが忘れてたんなら、わざわざ再提出なんてだっるいことしなかったのに」

「カロン」

いつの間に出したのか、ムチをギュッと握り締めている静理の顔には「再提出にならないよう始めからちゃんと頑張れば良かったんじゃないかな」と書いてある。

それを読み取ったカロンは口先だけの謝罪を一回。

「へいへい。すんませんでした」

それから小鳥に視線を送る。