こんな後悔と自責の念に苛まれる静理の姿が見たいわけではない。

小鳥は頑張って笑顔を作った。

いつもの、自分の笑顔を。

「静理さんのせいじゃ、ありません。私が子供に戻って欲しいって、無理矢理静理さんにお願いしたんですよ。忘れちゃったんですか?静理さんは最初、遠慮したいって、言ってたのに……私が飲ませたんです。だから、私の自業自得です」

途中から、ポロポロと涙が溢れてきた。


(どうか、自分を責めないで下さい。静理さんがツラそうにしてる顔は、見たくないです)


小鳥が笑顔のまま泣きながら、続けてそう言おうとした瞬間だった。

「違うそんなの!!絶対に君のせいじゃない!!」

声を荒らげた静理にギュッと抱き締められた。

小鳥の体がビクリと跳ねる。


(体が……震えちゃう)


自分の気持ちに反して小鳥の体は静理に怯えていた。

けれど、抱き締められていたい。


(……もう少しだけ、このまま)


誰のせいだとか、どうでもよくなる程に今は抱き締めて欲しかった。