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 静理の言葉に驚愕し、目眩を覚えた。


(私が……吸血鬼に、なった……?私は、死んだの……?)


運よく命が助かった、という優しい現実ではないことを悟り、固まる小鳥。

そんな彼女を見て静理がグッと唇を噛む。

それから突然、彼は頭を下げた。

「ごめん。小鳥ちゃん。俺のせいだ」

「え……」

小鳥が困惑しながら静理を見つめる。

「俺が……君のことを弾避けにしたって、聞いた。俺は子供に戻っていた時の記憶がないんだけれど……間違って、いないよね……?」

真実を確認され、小鳥は視線を泳がせた末、最終的に小さく頷いた。

「ごめんっ……本当に、ごめん」

謝罪する静理の声は悲痛だ。

小鳥はそれを聞きながら、ボンヤリする頭で考える。


(静理さんの、せい……。そうだ……私が、死んだのは、静理さんの……)


その時、静理がゆっくりと顔を上げた。

頬を涙で濡らした苦痛の表情が小鳥の瞳に映る。

小鳥はハッとして考えを改めた。


(っ……違う!!確かにそうだとしても、私はっ、静理さんを責めたいわけじゃない!)