「こっち…!」
「えっ、あ!」
人混みを掻き分けて駆け出すフェオドール。
引っ張られている小鳥はついて行くしかなかった。
後方で白魔達の声が聞こえていたが、走っているうちに周りの雑音に紛れて消える。
混雑している中心から広場の端っこにやって来た二人はそこで一息ついた。
「ごめんね、小鳥さん。走らせて…」
「いえ…大丈夫ですよ」
「しばらくこの辺りにいませんか?たぶん、白魔に気づかれにくいと思うから」
確かに、周囲に目をやっても追いかけてくる白魔の姿は見えない。
小鳥とフェオドールは近くの空いているベンチに腰掛けた。
(フェオさん、小さくなっちゃったけど…どうしたら戻るのかな?)
沈黙して小鳥が考えていると、隣でフェオドールがモジモジし始めた。
「……なんだか、緊張します。君とどんな話をすればいいのか…」
年上お姉さんの小鳥を意識して照れまくっている少年フェオドールは頑張って話題を探す。
「マドモアゼル、君はどうして俺のフィアンセになったんですか?」



