「兄様と一緒に行きたいって言えば良いんだよ!お前にハッキリ言われれば白魔も引き下が――」
その時だった。
フェオドールが小鳥をギュッと抱きしめ、白魔から引き離した。
「白魔……すまないが、譲る気はない」
強い眼差しで兄を見据える。
「フェ、オ…さん」
ちゃんと言ってくれたことが嬉しくて、小鳥は彼の腕の中で頬を緩ませた。
「ふーん…」
不満げな声はもちろん白魔のもの。
「なら、仕方ないね。君達二人を徹底的に邪魔してあげるよ」
ニッコリ。
言葉とは裏腹に、天使のような笑顔だ。
この結論には居間にいた全員が驚いた。
「カロン、ルカ。明日は僕の手足になってよ。どうせ暇でしょ?」
「はあ!?ふざけんなよ!」
「お?何すんだ?」
乗り気なのか、カロンが興味深げに聞いてくる。
「あのリア充カップルを潰してあげるのさ」
白魔が妖しく微笑んで見つめる先には小鳥とフェオドール。
とんでもない相手を敵に回したと今更ながらに後悔した二人だった。



