「っ……やっぱり…見て、いたのか」

酒場でのことだろう。

察したフェオドールは抱いていた小鳥を柩の上に座らせ、彼女の前に跪いた。

「誓おう…。君が俺を愛する限り、俺は君のもの。君を悲しませることは決してしない」

真摯な眼差しで小鳥を見上げ、手を取る。

彼は自分のよりも小さくて華奢なその手に口づけた。

ドキッと高鳴る小鳥の胸が落ち着かないうちに、フェオドールは甘い声で続ける。

「お望みならば、足にもキスをしようか?」

「い、いいですっ!足なんて、そんな…!」

「ふふ…させて?俺がしたい」

ねだるように言われたら嫌ですなど言えない。

小鳥は目をつぶって恥じらいに堪えた。

包まっている毛布の隙間から片足だけ誘い出すフェオドールの手つきが、妙に緩慢で焦れったい。


「あのっ…早、く」

「待ちきれない?」


小鳥の心情は理解しているだろうに、意地悪な男だ。

涙目になる彼女に微笑むと、フェオドールは小鳥の白い素足を抱いた。


「大丈夫……ちゃんと、あげるから」


柔らかな唇の感触。

まるで騎士、否、奴隷のように青薔薇の貴公子は少女に縋る。