「言った…?俺、が…?」

聞き返せば小鳥はコクリと頷く。

覚えていないということは、それは間違いなく寝言だ。

フェオドールは頬を赤らめた。

「っ……恥ずかしいっ」

寝言で本心をポロリと零すなんて、どれだけ余裕がなかったのか。

自分を恨めしく思っていると、小鳥がふわりと笑った。

「私は…嬉しかったです。フェオさんの…告白…」

「え…」

「私、フェオさんに嫌われてると…思ってたから」

「そんなことない!」

声を強めてフェオドールが否定する。

小鳥は呆気に取られて彼を見上げた。

「俺は君が好きだ!周りに嫉妬する程……想ってるっ」

切なげに揺れる青の瞳。

「……ただ、なかなか触れられなかった。君を汚してしまいそうで…怖かった」

憂いを閉じ込めたその瞳を小鳥は愛おしげに見つめる。

「私は…触って欲しいです。フェオさんのことが、好きだから……ちゃんと受け止めたいから…」

「小鳥…」

「だから……」

小鳥は不安げに俯いて、キュッとフェオドールの服を掴んだ。

「他の女の人と…会わないで下さい」