ミロスラフの言葉にセルトは大きく目を見開いてから破顔した。

「おめでとうございますフェオ!婚約祝いに今日は私が奢りましょう」

「やった!」

関係のないミロスラフが真っ先に喜んだので勘違いしないよう、セルトは釘を刺す。

「タダなのはフェオとお嬢さんの二人です。貴方の分は払ってもらいますからね、ミロ」

「え~!そりゃないよー」

そんな会話を聞きながら小鳥は真っ赤になって俯いた。


(おめでとうございますって、なんかスゴク恥ずかしいよ…!)


その心境はフェオドールも同じだったようだ。

無表情だがほんのり耳を赤くさせている。

「あ、そうだ。お酒以外の飲み物でしたね。人間の飲み物ならオレンジジュースがありますよ」

「ならそれで……いいか?マドモアゼル」

「は、はい!」

勢いで頷いてから小鳥は「あれ?」と首を傾げた。

「あの…どうして私が人間だってわかったんですか?」

「ああ、それはですね。勘です」

ジュースの用意をしながら嫌な顔をせずに答えるセルト。

「何と無く雰囲気でわかるんですよ。闇人にはね」