「お~!フェオにミロ!今日も公演帰りかぁ?」

「そうそう。お疲れ様ってことで、パァーッと飲みに来ました!」

しゃべりながらミロスラフもカウンター席についた。

小鳥を真ん中に、仲良く三人が並ぶ。

するとカウンターの内側にいた金髪の店員が近寄ってきた。

「いらっしゃいませ。いつものですか?」

見ている者に癒しを与えるにこやかな笑顔が素敵な青年。

フェオドールは彼に答えて注文した。

「ああ。俺達はな。セルト、何か人間が飲めるものはあるか?酒以外で」

セルトと呼ばれたその店員が目をパチクリさせる。

「お酒以外ですか?もしやそちらのお嬢さんのため?」

「そうだ」

ジッと見つめてくるセルトと目が合い、小鳥は緊張して固まった。

ガチガチになっている小鳥に気づき、彼はふわりと微笑む。

「すみません。こんな吹き溜まりには似つかわしくないお嬢さんで、つい見つめてしまいました。フェオの連れですか?」

「ああ…」

「フェオのフィアンセちゃんだよ」