EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】



 フェオドールに手を引かれながら旅館の廊下を歩く。

浴衣に着替えた小鳥は不安そうに金髪の「フェオにい」を見上げた。

「あの…わたしのお母さんは…?」

「……ここにはいない」

無表情で簡潔に答えるフェオドールに対し、隣にいた白魔は小鳥に笑顔を向ける。

「小鳥、大丈夫。僕らは君の母上から君のことを任されているんだ。一緒にいれば怖くないから安心して」

「なーんかあんたが言うと誘拐犯ぽくなるな。胡散臭い」

カロンの発言にルカやオーレリアンが頷いた丁度その時、彼らは「男」と書かれたのれんの前に到着した。

何の躊躇いもなく脱衣所に入っていく兄弟に続き、フェオドールも小さい小鳥と一緒にのれんを潜る。

すると小鳥が繋いでいた手をクイクイと引っ張った。

「わたし、女の子だよ?いいのかな…?」

「子供だから、大丈夫。それとも…一人で女湯に入りたいか?」

一人は嫌なのか、ぷるぷると首を横に振る小鳥。

フェオドールは「ならおいで」と柔らかい笑みを送る。


「何やってんの?ぐずって兄様に迷惑かけてないでさっさと来なよ、チビブタ」

入口でグズグズしている小鳥に痺れを切らしたオーレリアンに声を掛けられ、二人も入浴の準備を始めた。