「ちょっと待って。何さこれ。静理、どんな予約したの?」
「無料券を使ったのが二人部屋だよ。後は自腹の五人部屋」
五人部屋の前で一行は立ち止まった。
小鳥を除いた面々は輪になってムムムと睨み合う。
「もちろん、僕と兄様が二人部屋だよね。うるさい奴らは固まって寝なよ」
「はあ!?この場合、小鳥と誰かが二人部屋だろ!?」
「んー…小動物を五人部屋に放つのも面白そうだなー」
「フェオと小鳥ちゃんが二人部屋じゃないかな。俺はそういうつもりで予約取ったんだけど」
静理に言われ話がまとまりかけた時、このやり取りを見守っていた女将に白魔が尋ねた。
「ねえ、女将。ここって混浴あったかな?」
「申し訳ございませんが、当お宿に混浴風呂はございません」
「ふーん、そっか」
ちょっと残念そうにするも、白魔はすぐに口角をつり上げる。
何か良からぬことを企んでいる兄の表情をチラリと見たフェオドールはそっと小鳥の手を握った。
「じゃあ、俺とマドモアゼルが二人部屋で……いいな」
しぶしぶ頷く弟達や笑顔の静理をその場に残し、少し離れた廊下の先にある二人部屋へと歩き出す。
彼と手を繋いでいる小鳥も引っ張られるようにして部屋を目指した。



