ギュッ――。


温かい身体に抱きしめられるフェオドール。


「そ、そんなことないです!!」


抱き着いたのは小鳥で。

彼女の顔は耳まで真っ赤で――。


「フェオさんに盗撮されようがトイレ覗かれようが…私は、フェオさんのこと好きですっ!」


半ばヤケになって発言した小鳥は涙目だ。

「マドモアゼルッ…!?き、聞いてたのか…?」

まさか起きていたとは思わずビックリ仰天なフェオドール。

冷や汗をかきつつ尋ねると、勢い良く頷かれてしまった。

彼の顔面もカァーッと熱くなる。


「あれ、起きちゃったんだね。これは誤算かな」


クスッと笑う白魔が小鳥に顔を近づけた。

「小鳥、本当にいいの?フェオドールに毎日監視されてるような生活なんだよ?気持ち悪くない?」

耳に吹き込まれた言葉は小鳥の心を揺さ振ろうとして失敗した。

彼女はしっかりと白魔の目を見据えて言う。

「それを気持ち悪いと思うなら…私はフェオさんに抱き着いたりしてません」


確かにちょっと恥ずかしいですけど、と付け足して。