EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】



 闇人が年に一度だけ盛大に祝う創世祭。

危険な太陽から逃れ、生きやすい地下に自分達だけの世界をつくった記念の日である。

人間を食糧にしている闇人だが、時代が下るにつれて人間による地上での迫害が酷くなってきた。

そのため、深い暗闇に逃げざるを得なかったという事情が地下世界創世に繋がったらしい。

広場の野外ステージへ歩いて行くまでの間、小鳥はオーレリアンからそう教えてもらった。


(不思議…。ずっと地上にいたら一生知らなかったことだよね…)


優しいオレンジ色の光がチラチラと視界に映る。

広場のイルミネーションはクリスマスのライトアップのようで美しい。

祭りの当日である今日は、この暗闇の世界がとても明るく見えた。

「にしても人が多いな。おい、はぐれるなよ」

オーレリアンがキュッと小鳥の手を握る。

ドキッとした小鳥は高鳴る胸を意識しながらはにかんだ。

「あ、ステージってあれですか?」

「うん。そう」

広場の中央に設置されたステージには黒いグランドピアノが置かれている。

もうすぐ始まるらしく、ステージの周りには聴衆が大勢集まっていた。