「えと…私はっ…」
頬を赤くしてしどろもどろな小鳥。
その耳元で、また白魔は《魔王》の一節を歌った。
「Ich liebe dich, mich reizt deine schone Gestalt,(愛してるよ。君の可愛い姿は魅力的だ)」
蕩けるように甘い声が耳を犯す。
「und bist du nicht willig, so brauch ich Gewalt.(君にその気がないのなら、力付くだからね)」
不穏なセリフが囁かれた時、オーレリアンが素早く立ち上がった。
ツカツカと小鳥の傍にやって来る。
「メスブタは僕と行動するんだ。お前なんかと遊ばない。無理矢理奪おうったってムダだから」
兄を真っ直ぐ睨みつけてから小鳥の手を掴むと、オーレリアンは小鳥を引っ張って居間から出て行った。
「へえー…なかなか頼もしい末っ子じゃない。ねえ?」
「……からかうのもいい加減にしろ。それから、付き合え。練習」
この後、フェオドールの気が済むまでミッチリ練習に付き合わされた長男だった。



