「えー。フェオのヴァイオリンなんていつでも聴けるじゃん。せっかくの祭りなんだから遊んだ方が楽しいって!」
反論するルカをオーレリアンが睨む。
そんな弟達を見て「やれやれ」と苦笑したのは静理だった。
「フェオ、演奏はどこでやるんだい?」
「野外のステージだ。祭りの中心として賑わう広場に設置される」
「あそこなら聴きながら屋台回れんじゃね?」
カロンが遊びたそうに提案したその時。
「Du liebes Kind, komm, geh mit mir!」
白魔の歌声が聞こえた。
「Gar schone Spiele spiel ich mit dir」
口ずさみながら居間の扉を開けて入ってきた長男。
フェオドールの目が獲物を見つけてキラリと輝いた。
「白魔、探していた。練習に付き合ってくれ」
「は?練習?何ダルイこと言ってるのさ。ぶっつけ本番でも大丈夫でしょ。君と僕なら」
「……白魔っ」
苛立つフェオドールなど気にもせず、ご機嫌な白魔は小鳥に近寄った。
「ねえ、僕のプリマドンナ。お誘いの返事は?聞きたいな」
「え?」



