「ん?ここ、温かい…?ああ……ふふ。オーレリアンて可愛いね」

気づいてしまった静理がコソッと小鳥に囁く。

小鳥がまた苦笑いをした時だった。


「白魔、いるか?」


焦った表情でフェオドールが居間にやって来た。

「いないけど。どうしたの?」

ルカが答えると、フェオドールはあからさまに落ち込んだ。

「明日の創世祭(そうせいさい)で演奏するんだが…伴奏担当の白魔が見つからない…。まだ一度も合わせ練習してないのに…」

「創世祭…?」

聞いたことのない単語に反応する小鳥。

すると静理が教えてくれた。

「明日はお祭りでね。この地下に街ができた日なんだよ」

「地下世界の創世を祝う記念日、だったっけか?」

誰にともなくカロンが言うと、続いてルカが口を開いた。

「年に一度の祭りの日!色々お店が出るから楽しいよ。明日一緒に遊びに行かない?」

「私は…」

離れたところにいるオーレリアンをチラリと見る。

すると小鳥の視線に気づいたオーレリアンが眉間にシワを寄せながらこう言った。

「メスブタは僕と一緒に兄様の公演を見に行くんだ。拒否は認めない」