「はあ!?そんなわけないだろ!この流れでなんでそんな考えが浮かぶんだよ!」

「えっ、だって…」

不安そうに瞳を揺らす小鳥をオーレリアンはジッと見つめる。


「お前が…初めてだから」


安心させるように言ってから意地悪げに笑う彼。

「あいつと僕がどんな関係だったか教えてやろうか?」

小鳥が答える前にオーレリアンは早口にしゃべり出した。

「まず告白してきたのはあっち。付き合うことになったのは昔の僕が女を無下にできなかったから。断ったら傷つくかなとか考えたら…いつの間にか付き合うことになってて怖かった」

ちょっと間をおいてから研究報告でもするように、たんたんと続ける。

「付き合ってた期間は約一ヶ月。その間、あいつを愛したことは一秒もないし、キスしたことも抱きしめたことも手を繋いだこともない」

もちろん身体を繋げたことも。

「恋人というより、話し掛けられたら会話する友達って感じだった。あの頃の僕はクローン研究のことで頭がいっぱいで、あいつによく母様の話をしてたのは本当」

「それで…写真を…?」

「うん……。一枚見せたら、取られて…破られた。僕の目の前で…ビリビリに…」