「下に行くんですか?」

「うん。今日の一限目は“狩り”だから」

「かり…?」

目を点にして聞き返す。

するとオーレリアンはサラリと言った。

「人間を狩る練習をする授業」

「え……」

小鳥の顔からサーッと血の気が引く。

闇人達が人間を殺して血を吸い尽くす地獄絵図が脳裏に浮かんだ。

「お前さ、なんか勘違いしてるだろ」

青くなっている小鳥を見て呆れるオーレリアン。

「狩りって言っても、本当に人間を狩るわけじゃないから」

「そう、なんですか…?」

「地下に都市を作る前、夜な夜な人間を狩っていた僕達闇人の本能を忘れさせないための授業だ。無駄に食い散らかす授業じゃない」

だから安心して僕の隣にいろ、と彼が続けようとした時、後ろから元気な大声が飛んできた。

「小鳥ちゃん、オッハヨー!ついでにオーレリアンも」

振り返ると、そこにいたのは人懐っこそうな赤髪のイケメン。

「アルトさん!」

「うるさい馬鹿の登場か…」