「遅い。行くよ」

「はい…!」

早足で先を行くオーレリアン。

遅れまいと小鳥も歩き始めた時だった。


「あれ?出掛けるの?僕のプリマドンナ」


廊下の曲がり角で白魔と出会った。

「あ、はい。オーレリアンさんと一緒に、学校へ…」

「ふーん…。なんだ。つまらないな。僕の授業は二限目だから、それまで君と遊ぼうと思ってたのに」

「残念だったな。そこをどけ」

行く手を塞いでいる長男を末っ子が睨みつける。

「はいはい……あ。そういえば、今日は一限目からだった」

「は?嘘だろ?このメスブタ目当てに一緒に行くとか言い出さないよな」

「ふふ、言わないさ。安心しなよ。じゃあね、僕も支度して行くから後で会おう」

「お前の授業は取ってないから会うはずない」

つんけんした態度のオーレリアンを横目に白魔は意味深に微笑んだ。