「ち、違います!」
今度は小鳥が頬を赤らめる番だった。
「ハッ、顔真っ赤。面白そうだし、してやろうか?」
「そ、それも…冗談、ですよね?」
そうであってほしい。
恐る恐る視線を合わせると、オーレリアンはムスッとした表情でそっぽを向いてしまった。
「……さあ。好きに取れば」
ふて腐れた様子で足を組み、ソファーに置いてあった読みかけの本を手に持って開く。
「いつまで突っ立ってる気だよ。さっさと柩に横になれ」
本に視線を落としながら冷たい声を出すオーレリアン。
小鳥は躊躇いつつも小声で「失礼します」と言い、彼の白い柩に入った。
「電気は消さないからな。このまま寝ろよ」
「オーレリアンさんは、寝ないんですか…?」
「僕は切りのいいとこまでこれを読んでから寝る」
小鳥は横になったままオーレリアンの方を見つめた。
「何の本ですか?」
「兄様の書いた薔薇の神秘学論集」
「オーレリアンさんも薔薇がお好きなんですか?」
「別に…。薔薇にはそんな興味ないけど、兄様がどんな研究をしてるのかちゃんと知りたいから読んでる」
成る程、と思いつつ、小鳥はふとした疑問を口にする。



