ピリピリしたオーラを纏ったオーレリアンが来る。

思わずビクリとして逃げ腰になった小鳥。

しかし――。


――ダンッ!!


「どこ行くんだよ」

オーレリアンが行く手を塞ぐため壁に足を打ち付けた。

いわゆる、足ドンだ。

「お前さ、僕を選んでおきながらルカを頼るとかなんなの?」

「あ…その…」

「買い出し行きたいなら直接僕にそう言えよ。ルカを使うな」

「は、はい…」

小鳥が頷いたのを確認して足を下ろすと、オーレリアンは着たばかりの白衣を脱いだ。

「今から行くから。お前も支度しなよ」

「あれ?オーレリアン行けるの?さっき他当たれって…」

「うるさいルカ。暇なんだよ僕が行く」

「あの、オーレリアンさん…無理しなくても…」

「は?無理とかじゃないし。ルカとメスブタ二人で買い出しとか腹立つから僕が行ってやるって言ってるんだよ。察しろよなこの鈍感」

小鳥に向かって早口で言ってやる。

すると、横からルカが反応した。

「……なあ、オーレリアン。それって…嫉妬?」

無自覚だっただけに指摘された瞬間、オーレリアンの耳は真っ赤になった。

「はあ!?そんなわけないだろ!頭わいてんの?」

照れ隠しをするように暴言を吐くと廊下を早足で歩き出す。

オーレリアンは一旦自室に戻って乱暴に扉を閉めると、心を落ち着けるために深呼吸した。


(この僕が、ルカに嫉妬!?有り得ない…!)


最高潮に不機嫌な状態でオーレリアンは外出の支度を始めた。