確かに動かなくてもズキズキ痛む。

小鳥はお言葉に甘えることにした。

フェオドールのバスタオルに包まり、髪を乾かしてもらう。

ドライヤーの音が響く中、フェオドールが徐に口を開いた。

「それは…オーレリアンにやられたのか?」

鏡を通して小鳥の傷を見る。

すると小鳥はタオルをギュッと握って悲しげに頷いた。

「水をかぶったのも、オーレリアンのせいか?」

「……はい」

「どんな理由か、聞いても?」

「私が……カロンさんにキス…されたから」

「そうか……」

フェオドールの指が優しく小鳥の髪に触れる。


「マドモアゼル、きっとオーレリアンは後悔してる」

「え…」

「だから…許してやってくれ」


小鳥が目を丸くしていると、脱衣所の扉が開く気配がした。

フェオドールと二人、そちらを向くと――。


「オーレリアン、さん…?」


出て行ったはずのオーレリアンが、手にバスタオルを持って現れた。