「フェオさん、今からお風呂ですか?」

「……ああ。外で飲んで来たから」

着替えとバスタオルを手に持っているフェオドール。

これから入るのに邪魔しちゃいけない。

開けた胸元を手で隠しながら、小鳥がそそくさと出て行こうとした時だった。

「マドモアゼル、濡れたままどこへ?」

フェオドールに肩を掴まれた。

「あの…タオルを取りに…」

縮こまり、小さな声で答える小鳥。

フェオドールはちょっと考えると、自分のバスタオルを彼女の肩にふわりとかけた。


「おいで」


そして小鳥の手を取り、脱衣所の鏡の前に立たせる。

「あ、あの…フェオさん!タオルなら…自分のをっ」

「いいから、それで拭いて」

自分の着替えをカゴの中に置くと、フェオドールはドライヤーを持った。

「マドモアゼル、髪を乾かすから。後ろから失礼する」

「わざわざそんな…!自分でできますっ」

「いや、俺がやる。その傷じゃ動くと痛いだろう」