(もし私が死んだら、オーレリアンは…)


次の女性を求めるのだろうか。

ふと心に過ぎった不安を見透かしたのか、オーレリアンは呆れたように溜息をついた。

「言っておくけど…僕は父様みたいに何度も再婚とかしたくないから」

「え…」

「結婚なんて人生の墓場だと思ってるこの僕が、再婚という名の苦痛に進んで身を投じると思うのか?」

「えっ…と」

なんて返せばいいのかわからない。

困った小鳥が視線を泳がせていると、オーレリアンの声が少し沈んだ。

「……だから、お前は長生きしろよ。母様みたいに…早く逝くなよ」

「うん…。頑張る。長生きするよ」

ハッキリと口に出して約束したら、オーレリアンは安心した表情で笑ってくれた。

その屈託ない笑顔にこれからも自分の胸の鼓動は翻弄されるのだろう。

そう悟った小鳥だった。