ズーンと沈んでいたオーレリアンも、あの日だけだった。

翌日からは普段通り、兄達に嫌みを言える程に元気を取り戻していた。

ホッとした小鳥。

何事もなく過ぎていく時間に安心を感じていたある日のこと。

突然小鳥はオーレリアンにこう言われた。

「今から外に行くから。一緒に来て」

特に断る理由もないので出掛ける支度をした小鳥。

身だしなみを整えてオーレリアンの待つ居間に行く。

「お待たせ」

「ん。行くぞ」

ソファーから立ち上がったオーレリアンは手に白薔薇の花束を持っていた。

「お花?持っていくの?」

「うん。きっと喜んでくれるから」

誰かに会いに行くのだろうか。

小鳥はどんな人に会うのか想像しながらオーレリアンについて行った。


(お友達かな?でも花束を持ってくくらいだから…目上の人?もしかしてすっごく美人な女の人だったり…!?)


白薔薇に似合う相手を考えているうちにエレベーター前へ到着。

小鳥は顔を上げてエレベーターを見た。

「え?こっち?」