丁度トイレに行っていた小鳥は、出て来た時に廊下でオーレリアンを発見して駆け寄った。

「オーレリアン!良かった!帰って来たんだね」

「ああ…ごめん。黙って出掛けた」

どこと無く疲れているような雰囲気のオーレリアン。

そんな彼の顔を小鳥は気遣わしげに覗き込んだ。

「地上に行ってたの?ルカくんがセキュリティー切れてるって教えてくれて」

「うん。ちょっと…やらなきゃいけないことがあって」

ふとオーレリアンの手を見ると、いつもの手袋ではなく白い軍手をしていた。

「それは…軍手?」

「………」

指摘したことには答えずに、オーレリアンは小鳥の肩にトンと額をのせる。

「ねえ…今日は一緒に寝て。一人になりたくないんだ」

「いい、けど…」

元気がないオーレリアンが気になる。

何があったのか優しく尋ねてみた小鳥だったが、沈黙しか返って来なかったので聞き出すことは諦めた。


それから訪れた就寝の時刻。

オーレリアンの部屋で同じ柩のなか眠った二人。

オーレリアンは小鳥の隣に横になると、すぐ深い眠りについてしまった。

甘えるように彼女の手をキュッと握ったまま。