「つーわけで、血、ちょうだい?」

うるりとした瞳で上目遣い。

急な展開についていけず小鳥が目を点にしていると、オーレリアンがカロンの頭を足で踏んでぐりぐりした。

「メスブタは僕のなんだよ。お前なんかに噛ませないから」

「へー。選ばれた時に、ふざけるなよメスブターとか嬉しくなーいとか言ってたあんたが、スゲー進歩だな」

ボッとオーレリアンの顔に火がつく。

「ふーん。確かに発言が独占的になってきたね。僕のプリマドンナなのに」

「お、お前のじゃない!僕のだっ!」

真っ赤な顔で慌てて言うと、オーレリアンは小鳥にギュッと抱き着いた。

恥ずかしいことをしている自覚はあるが、傍観を決めて兄達に小鳥をとられるなど堪ったものじゃない。

「おやおや」

静理が目を丸くしてムチを下ろす。

「これはこれは」

白魔がからかうような視線を向けてきた。

「え?あのオーレリアンが?ええ!?」

意外だったのか、本気で驚くルカ。

カロンは寝転がったまま下から、フェオドールは直立不動で上から、ジーッと末っ子を見つめる。

兄達の視線が痛い。

けど小鳥は放せない。

オーレリアンが身体を固くしてギュッと目を閉じた時だった。