†††


 フッ、と目が覚めた。

ついさっきまで眠っていた小鳥はボンヤリと天井を見上げる。


(私の…部屋…)


どうやら柩に寝かされているようだが、いつ横たわったのか全く記憶にない。

苦笑しつつ思い出す。


(そうだ……。病院、お休みで…。でも…お医者さんが、来てくれて…)


あれからどのくらい時間が経ったのだろうか。

時計を見ようと身体を起こした時、ガチャリと扉の開く音がしてオーレリアンが入ってきた。

「あ、起きてた?ごめん。まだ寝てると思ってたからノックしなかった」

言いながら手に持っていたカップを小鳥にズイと差し出す。

「……これ、は?」

疑問に思いながらも、とりあえず小鳥はカップを受け取った。

両手で持ち、湯気が出てくるのを眺める。

すると、柩の傍に椅子を運んできたオーレリアンが教えてくれた。

「生姜湯。飲めよ。わざわざ僕が作ったんだから」

「オーレリアンさんが…?」

「おい、熱でボケたの?呼び捨てが良いんだけど」

「あっ、ごめんね…。これ…ありがとう。いただきます」

フーフーと冷ましながら少しずつ飲む。

オーレリアンは椅子に座ると、くすぐったそうに小鳥を横目で見つめた。